ストラテジ系 企業と法務

世界標準化の重要性・JANコードとQRコードの違いとISO

バーコードは世界共通の識別方法であり、

  • JANコード(バーコード)や
  • QRコード

といった世界規格で統一されています。

この記事では、標準化がどのように行われるのか、そしてその実用性について詳しく解説します。

標準化とは

標準化とは、製品の形や大きさなどを統一することを指します。

例えば、非常口の標識は日本初の国際標準の一例です。

hijouguchi-image

このように形や大きさなどを統一することで、世界中どこに行ってもその情報が何を意味しているのか、どのように使えばよいのかが分かるため、非常に便利です。

非常口標識の国際標準

非常口の標識は、どこの国でも同じデザインであり、一目でその場所が緊急出口であることが分かります

これは、国際標準化の成果です。

この標準化により、旅行者や外国人も直感的に理解することができます。

標準化の利便性

標準化は、製品の互換性や利用の容易さを保証します。

例えば、電子機器の充電ケーブルの規格が統一されているため、異なるブランドでも同じケーブルで充電できることがあります

これにより、消費者の利便性が大幅に向上します。

世界規格とその影響

標準化された製品は、国際市場でも同じ品質と性能が保証されます。

例えば、自動車の部品が標準化されているため、異なる国で製造された部品でも互換性があり、安全性が確保されます。

JANコードとQRコードの違い

バーコードの規格として世界規格で統一されているものに、

  • 「JANコード」と
  • 「QRコード」

といった規格があります。

最近はキャッシュレス決済の手段としてQRコードがよく使われるようになりました。

JANコードとは世界共通の商品識別番号

JANコード(Japanese Article Number)は、世界共通の商品識別番号です。

JANcoce

JANコードは一般的に「バーコード」と呼ばれています。

JANコードは標準化されているので、海外のお店でも同様に扱うことが可能です。

名称説明
①メーカーコード商品を作った会社の番号
②商品アイテムコード他の商品と区別するために使う番号
③チェックディジット読み取ったJANコードに誤りがないかチェックするための番号。コンピュータが利用する。
JANコードを整形している名称と特徴

QRコードとは2次元コード

QRコード(Quick Response Code)は、数字だけでなく英字や漢字など、多くの情報を記録できる2次元コードです。

QRcode

JANコードが

  • 線(1次元)であるのに対し
  • QRコードは面(2次元)で構成されるため

表現できるデータ量が多いことが特徴です。

またQRコードでは3つの角にマークがあるため、どの角度からも読み取ることが可能です。QRコードも日本の会社が開発しました。

特徴説明
大容量の情報記録数字・英字・漢字・カナ・記号・バイナリデータなど様々な種類の情報を記録できます。従来のバーコードに比べて数十倍から数百倍の情報量を扱えます。
高速読み取り3つの角にある「切り出しシンボル」によりどの角度からでも素早く読み取ることができます。
汚れ・破損への強さ誤り訂正機能により汚れや破損があっても一定程度まで読み取ることができます。
省スペース小さなスペースに印刷することができポスターやチラシなど様々な媒体に活用できます。
2次元横と縦の2方向に情報を記録するため1次元バーコードよりも多くの情報を記録できます。
QRコードの特徴

ISOとは国際標準化機構のこと

ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)は、国際的な規格を決める組織です。

ISO-image

国際標準化機構が決めた規格を「ISO(International Organization for Standardization)」と呼びます。

ISOの本部はスイスのジェネーブにあり、ISO標準化による規格の名前には「ISO」のあとに番号が並びます。

例えば

  • 非常口の標識は「ISO 7010」
  • またQRコードは「ISO 18004」

といったように規格により数値が異なり、2024年時点ではおよそ20,000個以上のISO規格が策定されています。

ISOの影響力

ISO規格は世界中で認識され、採用されています。

これにより、企業や製品が国際的に競争力を持つことができます。

例えば、ISO 9001の認証を持つ企業は、その品質管理システムが国際的に認められているため、信頼性が高いと見なされます。

ISOとグローバル市場

ISO規格を採用することで、企業は国際市場での競争力を高めることができます。

例えば、ISO 14001の環境マネジメントシステムを導入することで、環境に配慮した企業としての評価が高まりました。

このように国際的な取引先からの信頼を得ることが可能です。

ISOと技術革新

ISO規格は、技術革新を促進する役割も果たしています。

例えば、ISO 27001の情報セキュリティマネジメントシステムは、情報セキュリティのベストプラクティスを提供し、企業のセキュリティ対策を強化します。

ISOは目に見えない規格

ISOは非常口の標識やQRコードのような「目で見えるもの」だけでなく、仕事の仕組みのような、目に見えない規格もたくさん策定しています。特に下記3つについて覚えておくと良いでしょう。

1. ISO9000(重要)

ISO9000とは、品質マネジメントシステムに関する規格です。

特に「ISO9000は製品の品質をよくするための規格」です。9000番台はすべて品質に関する規格であると言えます。

規格内容
ISO9000品質マネジメントシステム(基本及び用語)
ISO9001品質マネジメントシステム(認証取得対象の規格)
ISO9002品質マネジメントシステム - ISO 9001:2015適用の指針
ISO9004組織の持続的成功のための運営管理 - 品質マネジメントアプローチ
ISO9000関連の規格

ISO9000という規格で品質を標準化する主なメリットは、他の会社が安心して部品の調達をできることでしょう。

1つ製品を作るために、様々な国からたくさんの部品を取り寄せる場合がありますが、その際に各工場を回って製造過程を検査するのは骨が折れます。

しかしISO9000の認証のある工場であれば、一定の品質が担保されているため部品品質を確認する手間を容易にできるということですね。

2. ISO14001

ISO14001は、環境マネジメントシステムに関する規格です。

企業活動により生じる環境への影響を改善するための規格であり、ISO14001を取得することはCSR活動の1つとして捉えることができます。

3. ISO27001

ISO27001は、情報セキュリティマネジメントシステムに関する規格です。ISO27001では後述する「ISMS」を規定します。

標準の分類とは

標準には、QRコードや品質のようにたくさんの物事に対して「標準」が存在します。

ここでは標準に分類される下記3つを詳しく紹介します。

種類説明
デジュールスタンダード(de jure standard)公的機関が法的に定めた標準。例えばISO9000など。de jureはラテン語で「法的に」という意味。
フォーラム標準
(forum standard)
特定の業界団体(フォーラム)が定めた標準。例えばBluetoothなど。
デファクトスタンダード(de facto standard)特定の企業が開発した仕様が市場で広く受け入れられることによって事実上の標準となったもの。
例えばMicrosoftのExcelなど。de factoはラテン語で「事実上の」という意味。
標準の分類一覧

まとめ

標準化は、製品やサービスの品質を保証し、国際的な競争力を高めるために不可欠です。

JANコードやQRコード、ISO規格などの標準化により、世界中の企業や消費者が利益を享受しています。

標準化は、情報の一貫性と信頼性を確保し、グローバル市場での取引を円滑にします。標準化の理解と活用は、現代社会において非常に重要なスキルと言えるでしょう。

  • JANコードとは、商品を区別するためのコード
  • JANコードとは、メーカコードと商品アイテムコード、チェックディジットから構成される
  • QRコードの特徴は「2次元」「英字や感じも記録可」「どの角度からも読み取り可」の3つ
  • ISO9000シリーズ:品質マネジメントシステム
  • ISO14000シリーズ:環境マネジメントシステム
  • ISO27000シリーズ:情報セキュリティマネジメントシステム
  • デジュールスタンダードとは、公的機関が法的に定めた標準
  • フォーラム標準は、業界団体が定めた標準
  • デファクトスタンダードは、事実上の標準

-ストラテジ系, 企業と法務