ネットワークにおいて、
- デフォルトゲートウェイは窓口
- ARPは端末の住所を取得する技術
といった重要な役割を担っています。
ただ、その関係性はあまり知られてないんだよね...
本記事ではデフォルトゲートウェイとARPの基本的な概念・秘密の関係性を暴きます。
参考記事:ARPとは?基本的な概念と仕組みについて分かりやすく図解で解説
-
ARPとは?基本的な概念と仕組みについて分かりやすく図解で解説
ARPとは基本的に Address Resolution Protocol(アドレス解決プロトコル)の略称 IPアドレス ...
続きを見る
デフォルトゲートウェイとARPのつながり分かりやすく図解でデフォルトゲートウェイの役割は総合窓口
デフォルトゲートウェイは、
- 外部通信をすべて引き受ける総合窓口
といった役割を担っています。
一般的なLANでは、ルータなどネットワークを束ねる機器のIPアドレスをデフォルトゲートウェイで設定します。
噛み砕くと、
- あるネットワーク配下のネットワーク機器から
- 外部とデータ通信するとき
- 必ず通る窓口がデフォルトゲートウェイ
というわけでね。
人をデータに例えたら、デフォルトゲートウェイは高速道路の出入口や電車でいう駅だな
約束された場所を通るための窓口ってことだね
補足
デフォルトゲートウェイを設定することで、各家庭のネットワーク機器が外部とインターネット通信できるようになります。
逆にデフォルトゲートウェイがなければ、外部通信ができません。(できる場合もあります)
PCなどのネットワーク設定で
- 自分のIPアドレス
- デフォルトゲートウェイ
上記が必要となるのは、こうした背景があるからです。
デフォルトゲートウェイはネットワークで超重要な基本的要素の1つなんだな
では、デフォルトゲートウェイの設定はどのように行うのでしょうか。
デフォルトゲートウェイとARPのつながり分かりやすく図解でデフォルトゲートウェイはTCP/IPプロパティで設定する
デフォルトゲートウェイは各OSのTCP/IPプロパティを設定します。
TCP/IPは「ネットワークの決まりごと」だ。詳しくは以下を見てくれ
参考記事:TCP / IPをわかりやすく各プロトコル・IPアドレスとの違いを図解で解説
-
TCP / IPをわかりやすく各プロトコル・IPアドレスとの違いを図解で解説
TCP / IP はインターネット通信をする際の決まりごと。 プロトコルとしては IPプロトコル UDPプロトコル TC ...
続きを見る
デフォルトゲートウェイ各OSごとの設定方法
Windowsオペレーティングシステムの場合
- コントロールパネルを開き、ネットワークとインターネットの項目をクリックします。
- ネットワークと共有センターを選択し、アダプターの設定を変更をクリックします。
- 使用するネットワーク接続を右クリックし、プロパティを選択します。
- インターネットプロトコルバージョン4 (TCP/IPv4) を選択し、プロパティをクリックします。
- 「次のIPアドレスを使用する」を選択し、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイの値を入力します。
macOSの場合
- 「システム環境設定」を開き、「ネットワーク」をクリックします。
- 使用するネットワーク接続を選択し、「詳細」をクリックします。
- 「TCP/IP」タブを選択し、ルーターのIPアドレスを入力します。
Linuxの場合
- ターミナルを開き、rootユーザーでログインします。
- /etc/network/interfaces ファイルを編集し、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイの値を設定します。
- 設定を反映するために、ネットワークサービスを再起動します。
各OSごとで、デフォルトゲートウェイの設定方法は異なる。Verにもよるから、最新版でやってみてほしい
デフォルトゲートウェイとARPのつながり分かりやすく図解でARPとは?概念と動作について
ARPの概念・動作については、
- データ通信先が分かっている状態で
- IPアドレスに対応するMACアドレスを取得するため
といったものが挙げられます。
ARPについてもっと詳しく
ARPは「ネットワーク端末のMACアドレスを取得する技術」だ。詳しくは以下を参考にしてくれ
参考記事:ARPとは?基本的な概念と仕組みについて分かりやすく図解で解説
-
ARPとは?基本的な概念と仕組みについて分かりやすく図解で解説
ARPとは基本的に Address Resolution Protocol(アドレス解決プロトコル)の略称 IPアドレス ...
続きを見る
では、デフォルトゲートウェイ・ARPの不思議な関係とは何でしょう。
デフォルトゲートウェイとARPのつながり分かりやすく図解でデフォルトゲートウェイとARPの不思議な関係性
おさらいとして、
- デフォルトゲートウェイは「外部通信の出入り口」
- ARPは「MACアドレスを取得する・変換する技術」
といった意味がありましたね。
実はARPはデフォルトゲートウェイの代役が可能なんです。
え?どういうこと?デフォルトゲートウェイ要らないの?
ARPはデフォルトゲートウェイの代役が可能?
厳密にはARPはデフォルトゲートウェイの代役になるのではなく、
- デフォルトゲートウェイが未設定の場合
- ARPがデフォルトゲートウェイのIPアドレスを取得して
- 外部ネットワークにアクセスできる
というわけです。
デフォルトゲートウェイが未設定でも「ARPがデフォルトゲートウェイのIPアドレスを見つけることができる」んですね。
デフォルトゲートウェイが迷子でも、ARPが見つけてくれるってことか。
不思議な関係というより、デフォルトゲートウェイとARPって親子関係みたいだね
では、デフォルトゲートウェイは設定しなくても良いのでしょうか?
デフォルトゲートウェイは設定しなくても良いのか
結論としては、外部とインターネット通信をするならデフォルトゲートウェイの設定は必須です。
デフォルトゲートウェイを設定しない場合、
- 同じネットワーク内の端末と通信ができる
- 外部ネットワークの端末と通信はできない
といった状態になります。
つまり
- デフォルトゲートウェイが設定されているから
- ARPがデフォルトゲートウェイを見つけることができる
という決まりなんですね。
外部ネットワークと通信したければデフォルトゲートウェイは必ず設定しないとだめなんだね
またデフォルトゲートウェイが予め設定されていることで、データ通信速度やセキュリティ面でもメリットがあります。
デフォルトゲートウェイを設定するメリット1. 通信速度が向上する
デフォルトゲートウェイを予め正しく設定しておくことで、
- ネットワーク内のパケットがルーティングされる経路が定まる
- ルーティングテーブルにデフォルトの経路が設定される
- ネットワーク内のパケットが不必要に転送されることがなくなる
といったようにデータ通信時のロスが減ります。
噛み砕くと理想的な経路でデータ通信がなされるため、ネットワーク通信速度が向上するというわけです。
遠回りしないから、データも早く目的に到着するんだな
デフォルトゲートウェイを設定するメリット2. セキュリティが向上する
またデフォルトゲートウェイを設定することで、
- 不正なトラフィックがネットワーク内に入り込むのを防ぐことができる
- ARPスプーフィングなどの攻撃からネットワークを保護することができる
- ネットワーク内のトラフィックが適切にフィルタリングされるようになる
- 外部からの攻撃を遮断することができる
- ネットワーク内のトラフィックが適切に制御されるようになる
といったように、不正なトラフィックがネットワーク内に入り込まなくなるため、セキュリティの向上も見込めるんですね。
デフォルトゲートウェイを設定しない理由がないな
ARPスプーフィングとは
ARPスプーフィングとは、
- ハッカーなどが不正なARPパケットを送信することで
- ネットワーク機器となりすまし
- トラフィックの傍受・改ざんを行う
悪意のある攻撃手法の1つです。
ARPスプーフィングは「ARPキャッシュポイズニング」ととても似ていますが、
- ARPポイズニングは通信の中継をしてデータを盗む
- ARPスピーフィングは通信の改ざんなど行う
といったように微妙に内容が異なります。
しかし、どちらもARPパケットを不正な通信傍受を行う背景もあり、ARPスピーフィングは「ARPキャッシュポイズニング」の一種として考えられるでしょう。
デフォルトゲートウェイとARPのつながり分かりやすく図解でデフォルトゲートウェイとARPの関係性まとめ
ネットワークにおいて重要な役割を担うデフォルトゲートウェイとARPについて、各役割や関係性は以下のとおりです。
- デフォルトゲートウェイはネットワークの総合窓口
- デフォルトゲートウェイの設定はTCP/IPプロパティで行う
- ARPはネットワーク端末のMACアドレスを取得する技術
- デフォルトゲートウェイ未設定時、ARPがデフォルトゲートウェイを取得する
- デフォルトゲートウェイを設定しておくと通信速度が向上する
- デフォルトゲートウェイを設定しておくとセキュリティが向上する
正しくデフォルトゲートウェイを設定し、早くてセキュリティ面も安心できる通信環境をぜひ作ってください