ルーターとは
- データ送信する宛先に応じて
- パケット処理を行う
ネットワークの中の交通整備員と言えます。
データの宛先案内人みたいなもの?
そうそう。
では、ルーターはどのようにネットワークの交通整備を行っているのでしょうか?
ルーターが「ネットワークの名脇役」と言われる理由を暴きます...!
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ルーターとは機能や役割を分かりやすく図解で解説ルーターはLAN同士をつなぐ役割を持つ
ルーターは主に
- LAN同士をつなぐ中継機
といった役割を担っています。
LAN同士をつなぐ役割・中継機なので
- インターネット
- ローカルネットワーク
上記をつなぐゲートウェイ(ネットワークの接点となる端末)としての役割も持っているんですね。
ルーターがあることで、外と中のデータ通信を円滑にしてくれてるんだね。
しかし、なぜルーターは中継の役割を担っているのでしょうか?
ルーターとは機能や役割を分かりやすく図解で解説ルーターが必要な理由はデータ通信の信号を担っているから
ルーターがゲートウェイの役割を担っている理由は、
- データに付与された宛先を
- 見分けて指定の宛先へ送り出す
単純に言えば信号のような役割があるからです。
ルーターは複数のデバイスへ異なるデータを並行して送信できる
先述したとおり、ルーターはLAN同士をつなぐ機能があります。
LAN同士をつなぐことで、異なるネットワークに接続されているデバイス同士でも通信することができます。
というのも、ルーターの内部では
- パケットの情報を読み取り
- 宛先IPアドレスに基づいて
- どのネットワークに送信するかを決定する
といった動作を一瞬のうちに行うことができるからです。
このようにルーターを利用することで、異なるネットワークに属するデバイス同士でもデータ通信を可能にすることができるんですね。
ルーターって優秀なんだね
では、どうやってルーターは宛先のIPアドレスを解読しているのでしょうか。
ルーターとは機能や役割を分かりやすく図解で解説ルーター機能のスゴさ。パケットのヘッダーを確認している
ルーターがデータ通信を行う際、
- ネットワーク上を流れるデータを監視して
- 送信先に応じて最適な経路を選択する
以上の流れでデータ送信を行っています。
その際、ルーターはデータ(パケット)に含まれる「IPアドレス」を確認します。
参考:パケット交換方式とは
たとえばインターネットをしていて、「ルーターに送信されたデータ」が
- 自分のPCのIPアドレス宛のものか
- 違うIPアドレス宛のものか
パケットのヘッダーに含まれるIPアドレスからルーターはデータの宛先を識別しています。
ルーターがデータの信号役を担っているのは、そういうことか
以下にルーターの機能を一覧にまとめました。
機能 | 説明 |
---|---|
パケットの分配 | ルーターは、ネットワークに流れるデータを分配します。ルーターに接続されたコンピューターから送信されたデータは、ルーターがパケットと呼ばれる小さな塊に分割し、目的地に向けて転送します。 |
セキュリティ機能 | ルーターは、不正アクセスやウイルスなどの脅威からネットワークを保護するために、ファイアウォールや暗号化などのセキュリティ機能を持っています。 |
NAT | ルーターは、LAN内のコンピューターに割り当てられたプライベートIPアドレスを、インターネット上で通用するグローバルIPアドレスに変換する機能を持っています。 |
ポート転送 | ルーターは、特定のポート番号に対するデータ転送を設定することができます。たとえば、ウェブサーバーを立ち上げる場合は、ルーターにポート80番へのアクセスを許可する設定を行う必要があります。 |
ルーターは外部データをダイレクトに受取る役割でもあるため、セキュリティ機能も設けられています。
ルーターの機能でセキュリティ対策が可能
ルーターの機能で可能なセキュリティ対策は、以下のとおりです。
- パスワードの変更
- SSIDの変更
- 暗号化の有効化
- ファームウェアのアップデート
- 不要なポートの閉鎖
- ゲストネットワークの設定
- VPNの利用
以下にルーターのセキュリティ対策詳細を表形式でまとめました。
対策方法 | 詳細 |
---|---|
パスワードの変更 | デフォルトのパスワードを変更することで、ハッカーに対する攻撃を防ぐことができる |
SSIDの変更 | デフォルトのSSIDを変更することで、ハッカーに対する攻撃を防ぐことができる |
暗号化の有効化 | WPA2などの暗号化規格を有効にすることで、無線通信を保護することができる |
ファームウェアのアップデート | ファームウェアのアップデートを定期的に行うことで、最新のセキュリティ対策を取り入れることができる |
不要なポートの閉鎖 | 必要のないポートは閉鎖することで、ハッカーによる攻撃の対象となるリスクを減らすことができる |
ゲストネットワークの設定 | ゲストネットワークを設定することで、自分のネットワークに接続することなく、ゲストがインターネットにアクセスできる |
VPNの利用 | ルーターにVPNを設定することで、外部からの不正アクセスや盗聴を防ぐことができる |
ルーターは、端末の管理画面からパススワードやSSIDを任意に変更できるため、外部からの攻撃や不正なアクセスを防ぐことができます。
でもパスワードとか変更するのって面倒なんだよね〜
じゃあやらなきゃいいんじゃない?
ルーターのセキュリティを管理しないとどうなるのか
ルーターに設定されているデフォルトのパスワード・SSIDは、
- 悪意のある第三者にとって簡単に推測される
- 不正な接続を誘発する
といった可能性があります。
またルーターのファームアップデートを怠ると、セキュリティ上の欠陥を放置している状態になってしまうため、ハッカーによるネットワークの侵入を許してしまうことに繋がります。
ルーターのパスワードそのままって、めっちゃやばいじゃん
ルーターを導入した際は、先に上げたセキュリティ対策を必ず実施しておくことをオススメします。
ルーターのセキュリティ管理を行うことで、ネットワークの防御力UPにつながることは分かりました。
では逆にルーターを使用するデメリットはなんでしょうか?
ルーターとは機能や役割を分かりやすく図解で解説ルーターを使用するメリットとデメリット
ルーターを使用するメリットは、以下のようなものがあります。
- LAN同士をつなぐことができるため、複数のデバイス同士で通信できる。
- IPアドレスの変換により、セキュリティ上の問題を防ぐことができる。
これは先述しましたね。
一方、ルーターを使用するデメリットは、以下のようなものがあります。
- ルーターが故障した場合、インターネットに接続できなくなる。
- ルーターの設定が複雑であるため、初心者にとっては扱いにくいことがある。
とくに1つ目は致命的なデメリットにつながります。
ルーターのデメリット1. 故障によりインターネットができなくなる
ルーターは、ネットワーク上のデータを転送する重要な役割を持っています。
もしルーターが故障した場合、
- Wi-Fiネットワークに接続できない
- インターネットに接続できない
- ルーターの設定画面にアクセスできない
といったトラブルが発生します。
そのため、ルーターの故障が疑われる場合は、速やかに修理または交換する必要があります。
さすがにインターネットが使えなくなるのは良くないね
以下にルーターが故障する原因を記します。
ルーターの故障する原因5つ。特に過負荷に気をつけたい
ルーターが故障する原因はさまざまですが、代表的な原因は以下のようなものがあります。
- 電源のトラブル
- ファームウェアの問題
- ハードウェアの故障
- 過負荷の問題
- 外部要因の問題
ルーターが故障する原因・詳細を表形式にまとめました。
原因 | 説明 |
---|---|
電源のトラブル | ルーターの電源に問題がある場合、ルーターが正常に動作しなくなる。 |
ファームウェアの問題 | ルーターのファームウェアに不具合がある場合、ルーターが正常に動作しなくなる。 |
ハードウェアの故障 | ルーターのハードウェアに故障がある場合、ルーターが正常に動作しなくなる。 |
過負荷の問題 | ルーターに接続されたデバイスが多すぎる場合や、ネットワークのトラフィックが集中した場合、ルーターが正常に動作しなくなる。 |
外部要因の問題 | 落雷や停電など、外部要因が原因でルーターが故障することがある。 |
ルーター故障の原因で特に気をつけたいのは以下でしょう。
- 4つめの過負荷の問題
実は各ルーターには、最大同時接続台数が決まっています。
複数端末の同時通信を可能にする「MU-MIMO」に対応。最大4台の端末が同時通信でき、快適な通信が可能です。
https://www.buffalo.jp/product/detail/wsr-2533dhpl2_db.html
この最大同時接続台数を超えると、スマホやPCのインターネット接続が不安定・もしくは断線することがあります。
意外とネットワークで使われている端末の台数は意識することがなく、
あれ?急にインターネットつながらなくなったんだけど...
といったように、盲点になりがちです。
「ルーター型番+接続台数」といったキーワードで検索して、現在利用しているルーターの最大接続台数を予め確認しておくと良いでしょう。
ルーターが故障する要因の一番は電源トラブル?
ただ最大接続台数より多く接続したからといって、ルーター本体が故障することは稀です。
ルーター本体が故障しやすい原因として挙げられるのは、
電源トラブル
上記が圧倒的でしょう。
特に、停電が原因でルーターが突然シャットダウンした場合、ルーターが正常に起動しなくなることがあります。
そのため、UPS(無停電電源装置)などのバックアップシステムを導入することで、電源トラブルによる故障を予防できます。
>UPSリンク
サーバーなど構築している環境では、バックアップデータ消去防止・瞬断対策のためにもUPS導入は必須と言えます。
ルーターのデメリット2. 設定が複雑で初心者には扱いづらい
多くのルーターの場合、インターネット接続を確立するためには
- WANポートの設定
- LANポートの設定
- NATの設定
といった設定を行います。
基本的には自動接続されるため、そこまでネットワーク構築は難しくはありません。
しかし、任意のネットワークを構築する場合はIPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイなど手動で設定を行う必要があるため知識を要します。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
WANポートの設定 | インターネット回線のケーブルをWANポートに接続する。WANポートの設定を自動取得(DHCP)にする場合は、ルーターに自動でIPアドレスが割り当てられる。 手動で設定する場合は、インターネット回線のプロバイダから提供されたIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーの情報を入力する。 |
LANポートの設定 | LANポートには、ルーターに接続するデバイス(PC、スマートフォン、タブレットなど)を接続する。LANポートの設定は、通常は自動取得に設定されており、各デバイスに自動でIPアドレスが割り当てられる。 |
NATの設定 | NAT(ネットワークアドレス変換)は、複数のデバイスが同じIPアドレスを共有するための技術であり、ルーターによって実現される。ルーターの設定でNATが有効になっている場合、ルーター内部の各デバイスに一意のIPアドレスが割り当てられ、インターネット上ではルーターのIPアドレスが表示される。 |
ファイアウォールの設定 | ルーターにはファイアウォール機能が搭載されており、インターネットからの攻撃や不正アクセスを防止する。ファイアウォールの設定は、通常は自動で設定されているが、必要に応じて手動で設定することもできる。 |
Wi-Fiの設定 | ルーターにWi-Fi機能が搭載されている場合、SSID(ネットワーク名)やパスワードの設定が必要となる。Wi-Fiの設定は、ルーターの管理画面から行うことができる。 |
参考記事:デフォルトゲートウェイとARPの不思議なつながりとは?分かりやすく図解で解説
-
デフォルトゲートウェイとARPの不思議なつながりとは?分かりやすく図解で解説
ネットワークにおいて、 デフォルトゲートウェイは窓口 ARPは端末の住所を取得する技術 といった重要な役割を担っています ...
続きを見る
上記は手動設定が考えられる一覧です。
しかしこれらの設定は、初心者には難解なんですよね...
目がチカチカしてきた
さらにセキュリティ設定やポートの転送など、専門知識が必要なことも。
分からない場合は、ルーターのマニュアルを参照したり、オンラインサポートを利用すると良いでしょう。
NTT東日本オンラインサポート -故障に関する診断・手続き
最近のルーターは簡単な設定画面を備えていることが多く、初心者でも扱いやすいハードが増えてきました。
しかし簡単にネットワークを構築するためには、どんなルーターを利用すればよいのでしょうか?
ルーターの種類と特徴から簡易設定可能なルーターを紹介します。
ルーターとは機能や役割を分かりやすく図解で解説ルーターの種類とそれぞれの特徴
ルーターには、以下のような種類と特徴があります。
ルーターの種類 | 特徴 |
---|---|
無線LANルーター | 無線LAN(Wi-Fi)に対応したルーター。複数のデバイスが同時に接続可能。 |
セキュリティルーター | セキュリティ機能が強化されたルーター。VPN接続や防犯カメラの接続など、セキュリティが重要な環境で利用される。 |
マルチプロトコルルーター | 異なるプロトコルに対応したルーター。異なるネットワークを接続するために必要であり、複数のプロトコルに対応することができる。 |
ブロードバンドルーター | ブロードバンド回線に接続し、インターネットに接続するためのルーター。ADSLや光回線などに対応している。 |
ルーターとひと口に言っても、色んな種類があるんだな
この中で家庭内や個人で利用するものは主に「無線LANルーター」です。
無線LANルーターの中で、簡単に設定できるルーターってどれなの?
簡単にネットワーク構築が可能なルーターとは
さらに無線LANルーターの中でも、簡単に設定ができるルーターは以下機能が備わっているものでしょう。
- メッシュWi-Fi機能がついているルーター
- スマートフォンアプリから簡単に設定できるルーター
- 自動で設定を行ってくれる「イージーセットアップ」機能が備わっているルーター
- クラウド上での設定変更が可能なルーター
以上のルーターは、初心者でも簡単にネットワーク構築ができるルーターです。
ルーター名 | 特徴 |
---|---|
Google Nest Wifi | スマートフォンアプリから簡単に設定できるメッシュWi-Fiシステム |
ASUS RT-AX88U | 自己診断機能がついており、セットアップも簡単な高速Wi-Fiルーター |
TP-Link Archer AX21 | イージーセットアップ機能が備わっており、初心者でも簡単にセットアップできるWi-Fiルーター |
NETGEAR Orbi | クラウド上での設定変更が可能なメッシュWi-Fiシステム。セットアップも簡単で、スマートフォンアプリから設定が行えます |
あくまでも例として、市場には簡単にネットワーク構築ができるルーターがたくさんあります。
あなたの至高の1台を選んでください。
ルーターとは機能や役割を分かりやすく図解で解説ルーターの役割と機能まとめ
ルーターの役割と機能をまとめると、以下のようになります。
- ルーターはLAN同士をつなぎパケットを宛先別に送受信する役割
- ルーター機能でネットワークのセキュリティ強化が可能
- ルーターを使うことで複数端末で同時にインターネットができる
- ルーター故障によりインターネットが使えなくなる可能性がある
- ルーターには無線LAN特化型やセキュリティ強化特化型など種類がある
インターネット環境の構築とセキュリティを確保するためにも、ルーターの利用は必要不可欠です。
ただし、初心者にとってはルーター設定が複雑と感じることもあるため、
- 設定の手順が検索するとたくさん出てくる機種
- 公式による設定サポートが充実しているメーカー
といった情報を確認してから、ルーター選びをしてみることをおすすめします。
ルーターはインターネットを利用する上で欠かせない存在だな
まさしくネットワークの名脇役ですね