ネットワークレイヤーとは、
- ハードウェア
- プロトコル
- アプリ
といった階層(レイヤー)に分かれ、処理を分担する通信環境を指します。
ネットワークレイヤーわかりやすくネットワークにおける階層構造を利用した通信イメージ
Webブラウザが開かれるまでの処理を1つのプロトコルで処理すると、
- サーバ
- セキュリティ
- インターネット
- ルータ(HUB)
- LANケーブル
- アプリケーション(Chrome・Safariなど)
- Webブラウザ
といった順番で通信データが処理されます。
しかし、各セクションで同じ通信規格は使えません。
すべての通信データにセクション毎の変換処理が必要となるため、無駄なプログラム処理が増えてしまいます。
そこでネットワークのレイヤーごとに信号の処理を分担させます。
ネットワークレイヤーわかりやすくネットワークレイヤーはプロトコル・スタックの階層構造で処理を行う
ネットワークレイヤーは、プロトコルスタックの処理原理でデータ通信が行われます。
プロトコルスタックとは
プロトコルスタックとは、異なるプロトコル間でのデータ通信をスムーズに処理するための決まりごとのこと。
例えばインターネットを開くとき、
- PCを起動する
- PCにパスワードを入力してログインする
- PCをインターネットへ接続する
- Webブラウザアプリを開く
上記のような手順を踏みます。
以上のようなフローが1つの手順・動作としてまとまった通信処理が、プロトコルスタックです。
プロトコル・スタックは、異なるプロトコルをつなぐ部品のような役割なんだな
ネットワークレイヤーわかりやすくプロトコルスタックの連続処理がスムーズなデータ通信を実現する
プロコトルでは一般的に、
- ヘッダー
- ペイロード
といった要素を取り決めています。
各概要は以下のとおりです。
項目 | 要素 | 概要 |
---|---|---|
ヘッダー (header) | プロトコル情報 | ファイルやパケットなどの先頭にあるデータのこと。例:郵便だと宛先・郵便種別(手紙・はがき・速達)などの情報のこと。 |
ペイロード (payload) | データ | 送信データのうち、意図されたメッセージ部分のこと。ヘッダやメタデータが付加され送信データとなる。 |
このプロトコルのうち、
- 下位階層のペイロードに
- 上位階層のヘッダペイロード
を含ませることで、上位階層のネットワークへデータを流すことが可能となります。
異なるレイヤー層のペイロードに、送信先のヘッダー情報を付与することで鍵を開けることができるんだな
ネットワークレイヤーわかりやすくインターネットのレイヤーモデルはOSI 7階層・レイヤー7と呼ばれる
ネットワーク通信を7つのレイヤーに分けたモデルを
- OSI 7階層(レイヤー7:Open Systems Interconnection reference model)
と呼びます。内訳を見る↓
国際標準化機構(ISO)により1977年に策定されましたが、当時のネットワーク技術となるOSI参照モデルは現在ではほとんど存在していません。
ただし、OSI参照モデルとなるプロトコルを階層構造にすることで、プロトコルスタックに基づいた設計・開発が可能となります。
インターネットがPCでもスマホでも同じようにアクセスできるのは、ネットワークの階層構造やプロトコルスタックのおかげだな
レイヤー7・OSI 7階層の一覧
レイヤー7の内訳である7つのレイヤーのうち、どのレイヤーで通信エラーがあっても通信は止まります。
以下にレイヤー7階層を一覧にまとめました。
階層 | 上中下 | 名称 | プロトコル |
---|---|---|---|
7層 | 上 | アプリケーション層 | Web,Email,SNS,IP電話,HTTP,FTP,DNS,SMTP,POP,PC,Server |
6層 | ↑ | プレゼンテーション層 | SMTP,FTP,Telnet |
5層 | ↑ | セッション層 | TLS,NetBIOS,セッション番号 |
4層 | 中 | トランスポート層 | NAT,アクセスリスト,TCP,UDP,NetWare/IP,ICMP,Firewall |
3層 | ↓ | ネットワーク層 | IPアドレス,ルーティング,NAT,アクセスリスト,TCP/IP,ルータ,IE,Firewall |
2層 | ↓ | データリンク層 | MACアドレス,VLAN,スイッチング,スパニングツリー,QoS,ARP,Ethernet,HUB |
1層 | 下 | 物理層 | RS-232,UTP,LANケーブル,WiFi電波,Ethernet |
TCP/IPモデルは4階層で考える
インターネットを基準としたネットワークの通信モデルのことを
- TCP/IPモデル
と呼びます。
OSI参照モデルとの階層関係は以下のとおりです。
項目 | 階層 | 各モデルの階層関係・概要 |
---|---|---|
OSI参照モデル | 7階層 | プロトコルを階層構造に分けることで、各階層処理をスムーズに |
TCP/IPモデル | 4階層 | OSI参照モデルの第7~5階層がアプリケーション層に相当 第2~1階層がネットワークインターネットフェイスに相当 |
OSI参照モデルが7階層に対し、TCP/IPモデルは4階層で考えられており関係は以下図のとおりです。