=BINOMDIST(成功数,試行回数,成功率,累積)
BINOMDIST(バイノミアル・ディストリビュージョン)関数は、試行数・母集団のサイズ・成功数から復元抽出で一定の施行が成功する確率を計算する関数です。
BINOMDIST関数の使い方. 構文
BINOMDIST関数の構文は以下のとおりです。
=BINOMDIST(成功数,試行回数,成功率,累積)
BINOMDIST関数の構文内訳
引数 | 説明 |
---|---|
成功数 | 必ず指定- 試行回数の試行における確率を求める成功数を指定します。 |
累積がTRUEの場合、BINOMDIST関数は成功数以下の範囲で成功が得られる確率を返し、FALSEの場合は、成功数の回数だけ成功が得られる確率を返します。 | |
試行回数 | 必ず指定- 独立試行の回数を指定します。 |
成功率 | 必ず指定- 任意の試行における成功の確率を指定します。 |
累積 | 必ず指定[デフォルトはFALSE]- ※二項累積分布を使用するかどうかを指定します。(※二項分布とは、成功か失敗かの二択において成功・失敗が出る確率のこと。)TRUEなら0~成功数回の範囲で成功が得られる確率が計算され、FALSEなら成功数回の成功が得られる確率が計算されます。 |
BINOMDIST関数の使い方・実行サンプル
BINOMDIST関数を実行するサンプル。
コインを投げて表を出したいとき10回の試行のうち、ちょうど5回成功する確率を求めます。
成功したい回数 | 試す回数 | 1回の成功率 | 条件一致する確率 |
---|---|---|---|
5 | 10 | 0.5 | =BINOMDIST(A3,B3,C3,false) |
各進数をBINOMDIST関数で算出した結果。
成功したい回数 | 試す回数 | 1回の成功率 | 条件一致する確率 |
---|---|---|---|
5 | 10 | 0.5 | 0.24609375 |
GIFで↓
BINOMDIST関数のサンプル実行結果
画像でBINOMDISTサンプル実行結果を確認↓
BINOMDIST関数 × GASの使い方・サンプル
BINOMDIST関数をGASで利用する際の、かんたんなサンプルを作成してみました。
実装する表のサンプル。
成功数 | 試行回数 | 成功率 | 成功する確率 |
---|---|---|---|
デフォは空白 | デフォは空白 | デフォは空白 | デフォは空白 |
実装するGAS
function BINOMDIST() {
var ss,sht,val01,val02,val03,val04,val05,val06,array
ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
sht = ss.getActiveSheet();
val01 = Browser.inputBox('成功したい数を入力して下さい。',Browser.Buttons.OK_CANCEL);
val02 = Browser.inputBox('試行する回数を入力して下さい。(成功したい回数よ以上の数を指定)',Browser.Buttons.OK_CANCEL);
val03 = Browser.inputBox('1回で成功する確率を入力して下さい。',Browser.Buttons.OK_CANCEL);
val04 = 'false';
if(val01 == "cancel"|| val02 == "cancel"|| val03 == "cancel"|| val04 == "cancel"){
Browser.msgBox("処理を中止しました");
return;
} else {
array = [[val01,val02,val03]];
sht.getRange(2,1,1,3).setValues(array);
// BINOMDIST関数をセット
val05 = sht.getRange("D2").setFormula('=BINOMDIST('+val01+','+val02+','+val03+','+val04+')').setNumberFormat('0.00%');
val06 = val05.getValue();
Browser.msgBox("成功率は「"+val06+"」です");
}
}
実行結果をGIFで
BINOMDIST関数を使うときの注意点
注意. 成功数>試行回数はエラー
BINOMDIST関数は、成功数>試行回数と指定すると#NUM!エラーを返します。
以下にサンプルを記載します。
成功数 | 試行回数 | 成功率 | 結果 |
---|---|---|---|
5 | 2 | 0.5 | #NUM! |
成功数 < 0 または成功数 >試行回数の場合は、エラー値 #NUM! が返されます。
成功率 < 0 または成功率 > 1 の場合は、エラー値 #NUM! が返されます。
注意2. 引数に数値以外の値を指定すると#VALUE!エラーを返す
BINOMDIST関数では、成功数・試行回数・成功率に数値以外を指定すると#VALUE!エラーを返します。
以下にサンプルを記載します。
成功数 | 試行回数 | 成功率 | 結果 |
---|---|---|---|
1 | 5a | 0.5 | #VALUE! |
BINOMDIST関数の使い方. ExcelとGoogleスプレッドシートとの違い
BINOMDIST関数は、ExcelとGoogleスプレッドシートで基本的な使い方に相違はありません。
以下にBINOMDIST関数についてGoogleスプレッドシートとExcelの相違点をまとめました。
Excel | スプレッドシート |
---|---|
成功数と試行回数は、整数に切り捨てられます。 | 成功数と試行回数は小数でも記載可能。 |
BINOMDIST関数はExcelでは
- 成功数と試行回数は整数に切捨てられる
- スプレッドシートでは小数値でも指定可能
といった点が、決定的な違いでしょうか。
BINOMDIST関数の使い方 まとめ
BINOMDIST関数の使い方でした。 有効に利用するには、
- 成功数 < 0 または成功数 > 試行回数にしない
- 成功率 < 0 または成功率 > 1 にしない
- テキストを指定しない
- 累積にfalse(またはtrue)を必ず指定する
といった感じですね。
BINOMDIST関数を使うことで、コインの表が出る確率などを求めることが可能です。
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